『資産防衛の教室』へようこそ。
あなたは「お金を安全に守るため」に、資産のほとんどを「銀行預金」に預けていないでしょうか?
「投資は怖い」「株はギャンブルだ」「銀行預金なら元本が減らないから一番安全だ」
そう考えるのは、日本においてごく自然な感覚です。
しかし、もしその「安全神話」を信じ続けた結果、あなたの大切な資産の「価値」が、毎年3万円ずつ溶けているとしたら…どう感じますか?
この記事では、なぜ「銀行預金=安全」が幻想に過ぎないのか、そのロジック(計算)と、日本で今起きている不都合な真実を解説します。
「数字」は減らないが「価値」が溶ける
まず、大前提として、銀行に預けた100万円が、翌年97万円に「減る」ことはありません。日本の銀行の「数字」は減りません。
問題は、その100万円で「買えるモノの量」が減っていることです。
これを「購買力の低下」と呼びます。
例えば、去年100円で買えたリンゴが、今年103円に値上がりしたとします。
あなたのお金(100円玉)の「数字」は変わっていませんが、去年買えたはずのリンゴが、もう買えなくなっています。
これが「資産の価値が溶ける」ことの正体です。
「年間3万円」の計算根拠
では、なぜ「3万円」なのか。
これは、現在の日本の「平均貯蓄額」と「インフレ率」から計算できます。
1. 日本のインフレ率(物価上昇)
総務省統計局の発表によると、日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、2023年から2024年にかけて平均約3%上昇しました。
これは、あらゆるモノやサービスの値段が、平均3%上がったことを意味します。
2. 日本の平均貯蓄額
金融広報中央委員会の調査(2023年)によると、単身世帯(一人暮らし)の貯蓄額の中央値は約100万円です。(※中央値:データを順番に並べた真ん中の値)
3. 計算
もし、あなたがこの平均である「100万円」を、すべて銀行預金(金利0.001%)に預けていた場合:
- 100万円 × 3%(インフレ率) = 30,000円
つまり、あなたは銀行口座の「数字」を眺めて安心している間に、そのお金で買える「モノの価値」を、1年間で3万円分も失っていたことになるのです。
これが、私たちが「毎年3万円溶けている」と警告する理由です。
追い打ちをかける「実質賃金」の低下
「物価が上がっても、その分給料が上がれば問題ないのでは?」
そう思われるかもしれません。
しかし、データは残酷な現実を示しています。
以下のグラフ(※厚生労働省のデータ)を見てください。

物価の上昇(インフレ)に対して、私たちの給料(賃金)の上昇が追いついていないため、「実質賃金」は低下し続けています。
これは「モノの値段は上がるのに、給料は実質下がっている」という最悪の状況を意味します。
「何もしない」ことが最大のリスク
ここまで読めば、もうお分かりのはずです。
インフレが進む現代の日本において、「何もしないこと(銀行預金に預けっぱなし)」こそが、あなたの資産を確実に、静かに溶かし続ける「最大のリスク」なのです。
「投資は怖い」のではありません。
「インフレ」から資産を防衛しないことの方が、よほど怖いのです。
では、この「インフレの濁流」から、私たちはどうやって資産を防衛すればよいのでしょうか?
その答えの一つが、国が唯一用意してくれた「非課税」というシェルターを活用することです。
具体的な防衛策(新NISA)については、以下の「比較記事」で、どの金融機関を選ぶべきかを徹底的に解説しています。